その幻想、果てしなく

〜 コスプレクイーン榎本つかさ、世界へ跳ぶ 〜

    文:ガードリーダー



ピアキャロ2の登場キャラ、榎本つかさはいまだに人気のあるコスプレクイーンだ。
OVAではヒロインの日野森あずさと双璧を成す大役に大抜擢。

原作のゲーム中でもワンワン語(?)をしゃべるなど、このつかさが確立したものは多い。
私の場合、榎本つかさといえばゲーム中の綺麗なビジュアルが第一印象。
だが世間一般にはコスプレマニアとしての知名度のほうが遥に高い。
やっぱり皆コスプレする女の子が好きなんだろうか・・。

私が榎本つかさを初めて知ったのは中学三年生の6月ぐらいだったです。
当時ピアキャロのグラフィックの美しさはずば抜けた存在で多くの人が魅了されたものです。
特にこのつかさちゃんは常軌を逸した(失礼)コスチュームがとてもインパクトがありました。
パソコンのなかった当時、高校に上がってセガサターンを購入。
ピアキャロ1がサターンに移植されたとの報を聞いて、急遽サターンユーザーになりました。
そしてピアキャロ2がサターンに移植されるやいなや発売前に買うという完全なダメ人間。
高校時代ロングソード連合は沈黙を守っていたが、私はすでに滅びの道へと進んでいました。

昔話はさりながら、高校時代の榎本つさか崇拝の志は並々ならぬものがありました。
高校卒業寸前、私が友人に送ったメールには、



榎本つかさの言うことはすべて正しい。
榎本つかさの為すこともすべて正しい。
榎本つかさが天下に逆らおうとも、
天下の人間が榎本つかさに逆らうことはこの俺が許さん。


・・・という凄まじい執念。
元ネタは勿論あるのですが、それはおいおい別の機会にでも掲載するつもりです。

まあこんなメールもらったら返信しようがなかったに違いありませぬ。
榎本武装親衛隊」と自称した、つかさ萌え絶頂期の頃でした。


そんなつかさちゃんもゲームで初対面(?)してみると予想外でした。
一人称は「ボク」だったり、コスプレクイーンで調子に乗りサインの練習したりと・・・。
お店に訪れたオバタリアンには文化大革命の再来かのごとく、吊るし上げられ罵られたりもした。
とどめにはファンだったはずの少年からも罵声を浴びる始末。


やっぱり現実は甘くはなかった。
コスプレクリーンなど幻想にすぎんのだ。

だがそれにつかさちゃんが気づくことは終始なかった。
現在の日本のごとく、床が浸水しているのに気づいていなかった。
冒頭に述べていたOVAでは榎本つかさはさらにコスプレに拡散していくのである。
最終話の榎本つかさが前田耕治に別れを告げるシーンは印象的である。




つかさ:今度コスプレの世界大会があるんです・・・。




せ、世界大会ぃーー!?
遠くを見つめ、そうつぶやく榎本つかさ・・・もはや正気ではない。
初めてこのセリフを聞いたときはマジで寒気がしたものだ。


キン肉マンビッグボディーのセリフを借りるのであれば、

「なにが世界大会だ!頭がおかしくなったのか!?」





つかさ:榎本つかさ、行きます!

コスプレ世界大会へ出陣・・・・。
無事な生還がかなわぬ事を知っていたのか、前田耕治に敬礼してました。
あ然とする耕治に笑顔で出撃するつかさ、この二人の足並みが合うことは遂になかった。


ここにいたり私の榎本つかさ崇拝の念は跡形もなく消え去った。
夢、幻のごとくなり。
永きにわたる榎本つかさとの思い出に私も決着をつけるときが来たようだ。
行くと言うのならば止めるつもりなど毛頭ない。



榎本つかさ、逝ってよし!