督戦隊になりたくて


    文:ガードリーダー



督戦隊って聞いててもピンとこない人がほとんどだと思います。
私も知ったのはキャッスルファンタジア・エレンシア戦記をやってからです。
知らない人のためにわかる限り解説しておきましょう。

督戦隊とは前衛の後ろに位置する部隊で、味方の士気を鼓舞するのが目的です。
鼓舞するといっても運動会の応援団みたいなものではありません。
戦況の不利によって後退する、もしくは逃げ出す味方の兵士を攻撃するのが真の役割です。
そんなわけだから味方の兵士は退くに退けないわけで、前進あるのみ。
こういう逃げ場のない状況を意図的に作り出し、味方の兵士を文字通り死に物狂いにさせるのです。


ってな感じでありがちといえばありがちな部隊です。
その起源はどこに由来するのかは分かりませんが・・・。
でも小林よしのり氏の「戦争論」を読んだら日中戦争中、中国でその存在が確認できたとか?
まあ、それはおいときますが・・・。


何だかんだいって最近では身近に督戦隊を見る機会はありません。(あたりまえだが)
ただ映画「スターリングラード」を見て頂けると督戦隊のイメージが描けるでしょう。



「祖国の名において命令する、前進せよ!」

「逃げる奴は撃ち殺す!」

「撃てー!」

「撃ち殺せー!!」

映画の序盤、ドイツ軍の猛攻に後退する赤軍兵士たちに政治将校たちの洗礼が!
映画を見た人ならわかると思いますが、普通にひどい連中です。
高校時代、映画館で見たこのシーン、さすがの私と傭兵・F岡でも胸が痛みました。

ただこの政治将校たちが督戦隊かと聞かれると首を傾げます。
鼓舞するどころか味方の兵士を全員射殺しちゃったら、士気もくそもありません。
「逃げたらダメよ!」という存在感のみ同じといえるんでしょうが。
まあ詳しい事を知りたい方はエレンシア戦記をやってみてください。






ちなみにロングソード連合にも督戦隊は存在します。
ガードリーダーこと私と副官くどりんの二名です。
我々は役職が最高幹部というものながら自ら志願してこの任務についております。
だってこんなに楽で優越感にひたれる役職なんて滅多にありませんから。

でも実戦では退却どころかスタート地点からすら前に出ようとしないLS正規師団。
これじゃ督戦隊以前の問題です。
LS義勇兵団はちゃんと前に出て戦っていました。
しかしもし義勇兵が退却したところを射殺しようとしても義勇兵は戦闘のプロ。
逆に私が瞬時に蜂の巣にされる事でしょう。


結局イケイケの私が前に出るしかないのがロングソードの現状です。


そんなある戦いの最中、山岳地点で奮戦する私に後ろから銃弾が飛んできました!

後ろは味方の陣地・・・まさか督戦隊だと!?

お、俺が知らず知らずのうちに退いてしまったのか・・・!
ならば隊長といえども部下から銃撃されるのはやむを得んというところか。
連合のトップでありながら・・・情けない!



とつお:いやぁーごめんごめん。敵と間違っちゃったよ。



抗議はしなかった。